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世界の課題解決力ランキング - 日本のイノベーション力は?

コラム

2024/03/16

イノベーション力を比べる

 

「イノベーション」は今や技術革新のことだけでなく、新たなアイデアや手法を導入することによって、社会やビジネスに大きな変革をもたらすこと全般を指す言葉として様々な分野で広く使われています。

 

では「イノベーション力」というものはどうやって比べればいいのでしょうか?これを可視化したランキングが存在するのです。グローバル・イノベーション・インデックス(GII)というものです。GIIとは世界知的所有権機関(WIPO)が発表する世界132の国と地域のイノベーション能力を80の指標を用いて分析、評価したランキングです。

 

日本は世界で何位?

世界ランキング(2023年版)

1.スイス 6.フィンランド 11.フランス 16.エストニア
2.スウェーデン 7.オランダ 12.中国 17.香港(中国)
3.米国 8.ドイツ 13.日本 18.オーストリア
4.英国 9.デンマーク 14.イスラエル 19.ノルウェー
5.シンガポール 10.韓国 15.カナダ 20.アイスランド

 

ランキングによると、日本は13位となっています。

アジアで見てもシンガポール、韓国、中国に次いで4位と少し遅れを取っています。

日本のイノベーション力は総合的に見ると高い評価を受けていますが、一方で課題も浮き彫りになっています。

 

【日本の強み】

・研究開発投資や特許出願件数が多い

・高度人材が多数存在する

・製造業の技術力が非常に高い

 

【日本の課題】

・ベンチャー企業への支援が不十分

・オープンイノベーションの環境が整備不足

・デジタル化が遅れている

・新規企業の参入が少ない

 

特に、オープンイノベーションの推進が大きな課題と指摘されています。日本は長らく企業の自前主義が強く、外部とのオープンな協業を通じたイノベーションが十分に行われてこなかった面があります。

 

しかし、環境問題やエネルギー危機、高齢化社会といった複雑で深刻な課題に対処するには、さまざまな主体が知恵とリソースを出し合い、新しいアプローチを共創することが不可欠です。オープンイノベーションは、そうした社会課題の解決に向けた重要な鍵となるのです。

 

ランキング2位のイノベーション大国スウェーデンではフューチャーセンターというオープンイノベーションによる未来志向の対話の場が作られています。フューチャーセンターで扱うテーマは多岐にわたり、行政分野の政策立案から民間分野では事業戦略策定や製品開発などについて多様な人材がアイデアを共有します。

 

最近になって、日本でもオープンイノベーションの機運が高まってきました。大企業とベンチャー企業の連携が進み、大学発のスタートアップ支援にも力が入るようになってきています。さらに、産学官でのイノベーション協議体が立ち上がるなど、新たな動きが出始めています。

 

Tokkyo.ai open innovation マーケットプレイスは様々な団体が参加できるオープンイノベーションを推進する日本のプラットフォームです。

 

こうした取り組みを通じて、多様な主体が対等にアイデアを出し合い、課題解決へのアプローチを共創していくことが重要です。日本のイノベーション力を更に高め、国際社会の課題解決を先導していくためにも、オープンイノベーションを積極的に推進することが欠かせません。

 

日本は製造業の技術力に長けており、優秀な人材も多数存在します。その強みを最大限に活かしながら、オープンイノベーションの潮流に飛び込むことで、日本のイノベーション力は間違いなく大きく飛躍するはずです。

 

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